なるほど!知っトクコラム
栄養と健康の関わりについて
インバウンドの増加や時代の変化に伴って、食を取り巻く環境は多様化し、便宜な世の中になりました。その一方で、栄養の偏りや食べ過ぎなど、食生活の乱れも顕著になってきています。
栄養は、不足しても過多しても体に負担がかかり、生活習慣病にもつながる恐れがあります。健やかな毎日を送るためにも、栄養と食生活における課題を理解し、対策していくことが必要です。
栄養と食生活における課題
厚生労働省が掲げる「21世紀における国民健康づくり運動〈健康日本21(第2次)〉」によると、すべての国民が共に支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現を目指すべく、基本的方針が提案されています。
その中のひとつである「健康寿命の延伸」に向けた栄養・食生活における課題対策として、「食塩摂取量を減らす」、「野菜や果物の摂取量を増やす」、「世代別の適正体重を維持する」などが挙げられています。このような課題を解決するためには、バランスの良い食生活を送ることが大切です。
健康にはバランスの良い食生活が大切
栄養バランスのとれた食事とは、「主食」、「主菜」、「副菜」を組み合わせた食事のこと。これら3つを具体的に説明すると、「主食」とは、主に炭水化物の供給源となるご飯、パン、麺などを言います。「主菜」は、主にタンパク質の供給源となる肉や魚、大豆などの料理です。「副菜」は、主にビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となる野菜や海藻類、きのこなどの料理を指します。
またこれらに加えて、 牛乳・乳製品、果物などを食事取り入れると、より栄養バランスのとれた食事が完成します。
食べる順番にも注意しよう
食事のバランスと合わせて知っておきたいのが、食べる順番です。食べる順番を工夫することで、血糖値の上昇を抑制できます。まずは、食物繊維を含んだ「副菜」から食べましょう。続いて、タンパク質を含む「主菜」に。最後に炭水化物である「主食」を食べることで、食後の急激な血糖値の上昇を抑えられますよ。
1日に必要になるエネルギー量
バランスのとれた食事をしていても、1日に必要な推定エネルギー量に達していない、あるいは過剰に摂取している場合は、健康に悪影響が出る恐れがあります。1日に必要なエネルギー量の目安は、性別や年齢、身体活動量によって異なります。健やかな体づくりのためにも、まずは自分が1日に必要な推定エネルギー量の量を知っておくことが大切です。
食事量の目安
自分にとっての適量の目安を知るべく、「食事バランスガイド」を活用してみるのもおすすめです。「食事バランスガイド」とは、農林水産省と厚生労働省が共同で発表した1日に「何を」、「どれだけ」食べたらよいかを考える時、参考にできる食事の望ましい組み合わせと目安量をコマ
のイラストで簡潔に示したものです。食事量を単品の食品ではなく、ごはんお茶碗1杯、パン1枚など料理ごとに「SV:サービング(オリジナルの単位)」で換算することで、日常生活の中で理解しやすいよう工夫されています。
※出典:厚生労働省ホームページ
自分が1日に必要なエネルギー量と、「主食」、「副菜」、「主菜」などの各項目の適量は、以下の図をもとにチェックしてみましょう。
表中の単位「つ」=SV(サービング:食事の提供量)を表す。詳細は「食事バランスガイド」を参照
※出典:厚生労働省ホームページ
例えば、60歳女性活動量が低い方の場合であれば、1日に必要なエネルギー量の目安は、1400~2000kcal。各項目の必要量に置き換えれば、主食4~5つ(SV。以下同)、副菜5~6つ、主菜3~4つ、牛乳・乳製品&果物2つ分が目安になります。